令和4年度 修業式 式辞

2023年3月24日 09時09分

 令和4年度が終わります。みなさんにとってどんな一年でしたか?代表者の決意と達成に向けての努力、すばらしいものでしたね。心から拍手を送ります。

 先生が困難に直面したとき、いつも自分に言い聞かせる言葉があります。それは「世の中に無駄なものはない」という言葉です。ここで言う「もの」は、物体だけでなく、時間や人、そして経験を指します。苦しいことを経験するのは、誰もが避けたいものです。でも、その苦しさを含め、乗り越えるために努力した経験は、今後の人生に必ず役に立つと信じています。また、それに費やした時間も決して無駄なものではないでしょう。

 「物体」についても同じです。例えば道路に石が落ちていたら、それは大きければ大きいほど必要のない、無駄なものと感じるでしょう。でも、お城の石垣にある大きな石を「無駄なもの」と感じる人はいないでしょう。大きければ石垣や庭石に、小さければ玉砂利やアスファルトの材料にすればいいのです。ひょっとしたら、磨いていくと宝石なのかもしれません。つまり、大事なのは置き場所、どこに置いてどう使うかによって、「無駄」と思われる物が「必要」な物になるのです。

 ですから、先生は、物、人、時間、経験など、どれをとっても「世の中に無駄なものはない」と考えています。この「石」は、「人」に置き換えて考えることができるとも思っています。居るべきところに居て、うまく活動することができたなら、その人の存在価値は何倍も何十倍も大きなものとなるでしょう。家庭・学級、部活動、将来の職業などなど。自分の立ち位置、行動は、どうあるべきなのでしょうね。

 春休みが明けると、新しい学年になります。この機会に、自分はどこでどう行動することが、自分の存在価値を高めることになるのか、考えてみませんか?

 ただ、石を必要な場所に動かすために労力が必要なように、自分が役立つ場所に行き、行動するための努力が必要なことは忘れてはいけません。

 新年度の始業式、みなさんが元気に、いい表情で登校してくれることを期待して、式辞とします。